AIG社員の公開辞表
タイムリーなニュースを話題にするのは得意ではないのだが、最近報道されているAIG社員に対する懲罰的課税に関する話題を取り上げてみる。最近ニューヨークタイムズに、以下のようなAIG社員による公開辞表が掲載されたそうだ。
・原文
http://www.nytimes.com/2009/03/25/opinion/25desantis.html?_r=2&pagewanted=1&th&emc=th
・翻訳が掲載されているブログ
http://wallstny.exblog.jp/9923262/
詳細な内容については、リンクしているブログで詳しく紹介されているので、ここでは触れない。また、懲罰的課税の是非についても、識者が各所で議論していると思うので、素人が首を突っ込むのは止めておく。
この辞表が事実なのか否かについては、確認のしようがないが、これを見て再確認させられたのは、企業というのは、下手に責任感を出したり、誠実に仕事をしようという意識を持った人間が貧乏くじを引いてしまうという側面がある、ということだ。
そんなことは当たり前で、それがビジネスのルールであり、誠意だとか責任感だとかいう綺麗事は単に立ち回りの下手な人間の自己正当化のための言い訳だ、という説もある。実際に、色々なビジネスパーソンの発言を聞いていると、ことさらにそうした綺麗事系の概念を連呼して仕事に取り組む「姿勢」のあり方を強調するタイプは、実務能力が?だったり、人間性がややいびつだったりする傾向があるのは事実だ。そういうことは、職業倫理として心に秘めておくことは重要かも知れないが、口に出すと相当陳腐な精神論にしかならない。
身近な例で言っても、
・言われた仕事を馬鹿正直に受けて生真面目にこなすタイプは、便利屋として重宝はされるものの、本当に重要な仕事は意外と振られない。
・一方、使えない奴と言われない程度に雑務をこなしつつも、効用が低そうな仕事は要領良く断るタイプの方が概して仕事上のアウトプットの質は高いし、いざというとき周囲に頼りにされるのもこのタイプ。
という傾向は確実にある。
私自身、決して立ち回りが上手い方ではない。(自己評価としては「相当に下手」だが、周囲には結構立ち回りで得をしていると言われることがあるので、客観的にどうなのかは正直良く分らないが・・・)
そのため、できる限り要領良く立ち回ろうと意識した時期があった。ちなみに、アメリカあたりで40歳そこそこでスピード出世して大企業のCEOになるタイプの人材も、ほぼ例外なく要領の良いタイプだという話を聞いたことがある。
AIGの件でも、要領の良い人種はCDSで荒稼ぎした後さっさと会社を去って逃げ切っているのだろう。短期的に美味しい思いをするのは確実にこうした人種だ。ただ、本当に長期で顧客や周囲の人間と良好な関係を築いてビジネスで成功するためには、そうした小器用な立ち回りの上手さだけでは十分ではないのも事実だと思う。
このような不器用だが誠実な人間が貧乏くじを引いているのを見ると、どうしても自分はそうなるまい、と怖気づいてしまう。だた、貧乏くじを引いてでも維持しなければならない倫理や、通さなければならない筋があることを忘れてはいけない。そのことを再確認させられた記事だった。
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