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資産運用会社のキャリアパス

そろそろ新卒の新人が入社してくる時期だ。

運用会社によってポリシーは異なるが 日系の大手だと新人はミドルやバック 顧客セクションでの営業支援(要は内勤の事務や資料作りだ)を数年やってから希望と適性を勘案してファンドマネージャー等のフロント職種になるというキャリアパスが一般的なのではないか。当然、ミドル・バック系業務の適正の方が高い場合は、その道のスペシャリストとしてそのままキャリアを構築するという可能性も有り得る。

ミドル・バックでワンクッション置くのは、社会人としての基本動作が身につかない新人は、どこに行っても雑用係ではあるのだが フロントの雑用はマニアックなので(高度、という訳ではないし、専門性が高い、と形容するのもやや?な気はするが)、エクセルも満足に使えず運用知識もない新人が配属されても扱いに困るという事情がある。

また、新人はやはり外から見て華やかに見えるアナリスト、クオンツ、ファンマネあたりを希望するので 数年実務をやらせてみて、運用会社の実情を知ってもまだ情熱が消えない人材を奮いにかける意味もある・・・気もする。是が非でもマーケットに興味があって貪欲な人種はそもそもバイサイドではなくてセルサイドを目指すので、バイサイドの新人は良く言うとバランスの取れた会社人、悪く言うと目的意識が乏しく状況に流される、という傾向がある。

そのため、とりあえず入社時にはなんとなく運用フロントと言っている新人の相当数は、数年経過すると当時の情熱らしきもの(就職活動時に強引に捻り出した志望動機)は影を潜めているケースが多い。

運用会社には 投資銀行ほどではないがなんとなくフロントが偉いという雰囲気がある気がする。年配になるほどその傾向は顕著で、彼等は例えば、優秀な若手が、優秀であるが故に仕事を抱えてしまい、ミドルあたりの職種からなかなか動けなくなってしまっているのを見て、「もったいない」などと形容することがある。が、個人的にはそういう価値観はあまり好きではなく、やや勘違いの匂いを感じてしまう。

ビジネスとして見た場合、運用会社は装置産業的色彩が強い、そのため、企業の競争力に与えるインパクトは、個人のタレント<組織力だ。投資銀行などと比較すると、こつこつとインフラを整備する色彩が強い、スペシャリスト型よりもゼネラリスト型の方が生産性が高い(場合が多い)という事情があり、ミドルバックの方がフロントよりも実務上は重要だと個人的には思う。(あとパフォーマンスでは継続的に目に見えた差がつくわけではないので、営業力も重要だが)

近年の大手運用会社の、上記のような新人のキャリアパスは、バランスの取れたビジネスマンを育成しよう・・・という意識が垣間見られるので、個人的には入社時にいきなりフロントに配属するよりは良いことだと思う。経営層にも、職人ばかりでは組織は回らない、という問題意識があるのだと思う。

同世代の運用フロントの若手・中堅層を見ても、シニア層と比較して職人型の人材よりもビジネスマン型の人材が多いような気がする。これは、上記のようなローテーションの効果なのか、時代の風潮なのか、はたまた経験を重ねれば今の若手・中堅層も環境に適応して職人型になってしまうので、状況は何も変わっていないのか、いずれなのかは定かではない。ただ、個人的には専門領域は持ちつつも、ビジネスマンでありたい、と思っている。

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