書評:サラリーマン再起動マニュアル
大前研一の雑誌連載記事を単行本化したもの。ご存じかとは思いますが、堀紘一(元ボストン・コンサルティング・グループ)と並ぶ日本の戦略コンサルの草分け的存在です。
■サラリーマン再起動マニュアル
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093794545/
本の内容自体は、
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①俺は凄いぜ、国際的にもBIGだぜ。モルガンスタンレーの元会長とも定期的に飯を食う仲だぜ。
②日本のビジネスマンは世界の一流どころと比較してこんなになってないぜ。
③ただ、国際的にBIGな俺様が主催する大学院で勉強すればそんなお前らでもまだ手遅れじゃないぜ。
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といういつもの三段論法で、本の巻末にはご丁寧に自身が主催する大学院の広告が載っているというお約束の展開で、目新しさは0なので特に触れません。
決してこういう大衆向けビジネス書ばかり読んでいる訳ではないのですが(とはいえ、好きか嫌いかと言われればかなり好きですが)、今回この本のレビューを書いた動機は、齢60歳を過ぎてこのバイタリティというか、暑苦しさを維持しているのは素直に凄いなという感銘を受けたからです。(注:誉めてます。)
2000年代では戦略コンサルは既に、投資銀行と並んで東大あたりの学生がこぞって受けに行く花形職種のイメージが強いですが、氏がマッキンゼーに入社した1970年代当時は日本では戦略コンサルの知名度は無いに等しく(給料は高かったようですが)、そんな訳のわからない会社に行って・・・と言われる類の会社だった模様です。
そんな状況で、日本オフィスが新設されたばかりの会社に飛び込んで、その業界の黎明期から成長期を支えた人物というのは、良くも悪くもキャラが濃い。明らかに、戦コンが人気職種になったから入社した秀才層とは人種が違うのだと思います。
黎明期にリスクを取って飛び込んで、その業界の成長を支えた人間が最も多くのリターンを得る、という構図は働く業種を選ぶ上で非常に重要な点だな・・・と、30歳を目前にして、将来の選択肢が徐々に狭まってきた身には痛いほど感じられます。新卒の就職活動時にこの点をもう少し意識していれば・・・(笑)
ちなみに、マネックス・ビーンズ証券の松本大社長も、確か東大生の就職先として外資投資銀行がメジャーではなかった時期にその業界に飛び込んで、30歳そこそこでゴールドマン・サックスのパートナーに上り詰めています。今の自分と同世代でGSのパートナーか・・・と思うと、自分の限界を見せつけられるようで色々考えさせられますが、これが若かりし頃に果敢にリスクをとった人間とそうでない人間の差なのでしょう。
ちなみに、上述のような人々の世代と比べて、現在20~30歳くらいの世代は明らかに上昇志向や物欲や出世欲に乏しいと世間では言われているようです。私も周囲を見ていてそう思うので、個人差はあるものの、総じてそういう傾向があるのは事実なのでしょう。私自身も、大前氏の著作を読んでいて、そのバイタリティに感心すると同時に、その暑苦しさにややうんざりしてしまうのも事実。
別にそんなに力まなくても自分のペースで程々でいいじゃん、というのは、豊かさが生んだ悪しき思考停止なのか、はたまた、文化的成熟のなせる技なのか。どちらなんでしょうか。
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